半狂乱
はんきょうらん
名詞
標準
half-crazed
文例 · 用例
後追って半狂乱の君江と長七が出て来る。
— 山中貞雄 『なりひら小僧』 青空文庫
こは悲しやと半狂乱、ひしと人形に抱き附きて、「おっかさん!
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
お雪さんが、抱いたり、擦ったり、半狂乱でいる処へ、右の、ばらりざんと敗北した落武者が這込んで来た始末で……その悲惨さといったらありません。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
純粋性を友情に於いて実証しようと努め、互いに痛み、ついには半狂乱の純粋ごっこに落ちいる事もあります。
— 太宰治 『みみずく通信』 青空文庫
男に金が無くなると、男は、ただおのずから意気|銷沈して、ダメになり、笑う声にも力が無く、そうして、妙にひがんだりなんかしてね、ついには破れかぶれになり、男のほうから女を振る、半狂乱になって振って振って振り抜くという意味なんだね、金沢大辞林という本に依ればね、可哀そうに。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
けれども、自分はその時、あれほど半狂乱になって求めていたモルヒネを、実に自然に拒否しました。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
いや美しくはないけれど、でも、ひとりで生き抜こうとしている若い女性は、あんな下らない芸術家に恋々とぶら下り、私に半狂乱の決闘状など突きつける女よりは、きっと美しいに相違ない。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
命も要らぬ、神も要らぬ、ただ、ひとりの男に対する恋情の完成だけを祈って、半狂乱で生きている女の姿を、彼は、いまはじめて明瞭に知る事が出来たのでした。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫