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言い掛かり

いいがかり
名詞
1
標準
文例 · 用例
さいしょは約束の年季が明けないのに、夜逃げ同様屋敷を脱け出したのが怪しからぬという言い掛りでしたが、近頃はお袖に預けた古筆の茶掛け一|軸と、彫三島の松の葉の香盒が紛失したから、それを返すかお袖を引渡すかという強談になりました。
駕籠の行方 銭形平次捕物控 青空文庫
何を証拠にお春を殺したなんて、言い掛りを付けやがるんだ」 市五郎は猛然として突っ掛りましたが、平次は、静かに市五郎を引起して、「そんな事を言ったって、免れようはない。
赤い紐 銭形平次捕物控 青空文庫
「それがどうしたというのだ、――つまらない言い掛りをすると、御上の御用を聞く者でも、許してはおかぬぞ」 石川良右衛門は威猛高になりました。
買った遺書 銭形平次捕物控 青空文庫
「百両二百両はおろか、千両箱を積んでもこの迷子札は売りゃしません――乙松という倅を頂戴して、兄伊之助の後を立てさえすれば、それでよいので」「それは言い掛りというものだろう、平次とやら」「…………」「私に免じて、我慢をしてくれぬか、この通り」 後閑武兵衛は畳へ手を落すのでした。
迷子札 銭形平次捕物控 青空文庫
風呂屋の女客はミチのただものでない事を、その肉体と挙動から察して、言い掛りをつけられない様に脇へ寄りながらも、好奇と奇異の眼をみはり、子供達はしげしげと彼女の裸身に近づいて見るのだが、母親は、この餓鬼!
富田常雄 刺青 青空文庫
これだけの構をしていて、その位の融通が利かないなんて、そんなはずがあるもんか」「あってもなくっても、ないからないというだけの話です」「じゃいうが、御前の収入は月に八百円あるそうじゃないか」 健三はこの無茶苦茶な言掛りに怒らされるよりはむしろ驚ろかされた。
夏目漱石 道草 青空文庫
ただの難癖言掛りじゃすまねえことを、そうやって担ぎ込んで来るからにゃあ、先方にだってしかとした証拠ってものがあろうはず。
うし紅珊瑚 早耳三次捕物聞書 青空文庫
それに俺としても家督を追われた怨みがある、親の仇などと旧弊な言掛りも附けようと思えば附けられよう。
神西清 雪の宿り 青空文庫