幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
春暖に際して、人の皮下體内に血液の充實して漲溢せんとする如き觀を生じて來る理由は、決して唯一の理由では無く、複雜なる理由から成立つてゐるには相違無いが、温熱に著しく感ずるものは、氣體及び液體であるから、血液が暖の影響を受けて、人の體内に於て膨張することは確に有力の一原因に疑無い。
幸田露伴 努力論 青空文庫
隣ずからの寒の挨拶が喰付きで、親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり、毎日のように訪つ訪れつした。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
「早春登楼」の詩に「蘇身漸健、楼上試攀躋」と云つてある。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
梅発風香戸」は恐くは実を記したものであらう。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
神辺は此日|晴で雪が融けかかつてゐた。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
それ以前とて会えば寒を叙する位の面識で、私邸を訪問したのも二、三度しかなかった。
内田魯庵 三十年前の島田沼南 青空文庫
南縁を迎うるにやあらん、腰板の上に猫の頭の映りたるが、今日の暖気に浮かれ出でし羽虫目がけて飛び上がりしに、捕りはずしてどうと落ちたるをまた心に関せざるもののごとく、悠々としてわが足をなむるにか、影なる頭のしきりにうなずきつ。
徳冨蘆花 不如帰 小説 青空文庫
例の通り奥の一間にて先生及び夫人と鼎坐し、寒の挨拶了りて先生先ず口を開き、この間、十六歳の時|咸臨丸にて御供したる人|来りて夕方まで咄しましたと、夫人に向われ、その名は何とか言いしと。
福沢先生を憶う 瘠我慢の説 青空文庫