話半分
はなしはんぶん
名詞
標準
taking a story with a grain of salt
文例 · 用例
」 話半分で、修一は大きな頭を二三度右に振り左に振り、二階へ上つてしまつた。
— 織田作之助 『六白金星』 青空文庫
こんな噂はとかく大きくなるもんだが、話半分に聞いても十人ぐらいは飛んだ災難にあったらしい。
— 熊の死骸 『半七捕物帳』 青空文庫
安珍清姫で有名な道成寺の縁起にも、一羽の雀が一丈もあろう一筋の髪の毛をくわえてくる話があったように記憶しているが――とにかく、往古の女の髪は、いろいろの文献を話半分に考えてみても、大体において長かったことは事実らしい。
— 上村松園 『髷』 青空文庫
先刻旦那があんなにお魚を買ひ込んだと言つてゐたが、話半分にも當らぬ例の大風呂敷であつたのか。
— 上司小劍 『兵隊の宿』 青空文庫
嘘か真事か一同には分り難かったが、話半分にしても市民の狼狽した話などを聞かされると、日本に吹きつけている不連続線はヨーロッパどころの風ではなさそうに久慈には思われた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
さういふ語気の激しさを聞いてみれば、話半分であつたにしても、横浜に伯父のゐることは間違ひがない。
— 坂口安吾 『老嫗面』 青空文庫
「そんなでもねえのさ」 道庵先生は、ニヤリ笑いながら顋を撫でて、「まあ、話半分に聞いてもらいましょうよ。
— 小名路の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
生母にめぐりあった直後、きょうの勇齋のことを孝助が新五兵衛に報告すると相変らず話半分しか聞かないでいちいち「そこは巧い」とか「そこのところは拙い」とか「いや、また巧くなった」とかいってしまうのも、じつにこの老人らしくて巧い。
— 「怪談牡丹燈籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について 『我が圓朝研究』 青空文庫