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広前

ひろまえ
名詞
1
標準
文例 · 用例
トあの大提灯を、釣鐘が目前へぶら下ったように、ぎょっとして、はっと正面へ魅まれた顔を上げると、右の横手の、広前の、片隅に綺麗に取って、時ならぬ錦木が一本、そこへ植わった風情に、四辺に人もなく一人立って、傘を半開き、真白な横顔を見せて、生際を濃く、美しく目迎えて莞爾した。
泉鏡花 妖術 青空文庫
――広前の、そちらへ、参ろう。
泉鏡花 貝の穴に河童の居る事 青空文庫
が、砂浜に鳥居を立てたようで、拝殿の裏崕には鬱々たるその公園の森を負いながら、広前は一面、真空なる太陽に、礫の影一つなく、ただ白紙を敷詰めた光景なのが、日射に、やや黄んで、渺として、どこから散ったか、百日紅の二三点。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
」と、軽くその頭を掌で叩き放しに、衝と広前を切れて、坂に出て、見返りもしないで、さてやがてこの茶屋に憩ったのであった。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
富士見の台なる、茶枳尼天の広前で、いまお町が立った背後に、 此の一廓、富士見稲荷鎮守の地につき、家々の畜犬堅く無用たるべきもの也。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
」と喚くと、一子時丸の襟首を、長袖のまま引掴み、壇を倒に引落し、ずるずると広前を、石の大鉢の許に掴み去って、いきなり衣帯を剥いで裸にすると、天窓から柄杓で浴びせた。
泉鏡花 茸の舞姫 青空文庫
往来からは何の仕切もない広前が少しばかりあつて其正面の奥手に御堂がある。
平出修 夜烏 青空文庫
さやさやした風が横手の竹薮を吹いて、広前の砂の上に落ちた。
平出修 夜烏 青空文庫