焼火
しょうか
名詞
標準
文例 · 用例
古手拭で、我が鼻を、頸窪へ結えたが、美しい女の冷い鼻をつるりと撮み、じょきりと庖丁で刎ねると、ああ、あ痛、焼火箸で掌を貫かれたような、その疼痛に、くらんだ目が、はあ、でんぐり返って気がつけば、鼻のかわりに、細長い鳥の嘴を握っていて、俎の上には、ただ腹を解いた白鷺が一羽。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
…………)「焼火箸を脇の下へ突貫かれた気がしました。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
蝮の首を焼火箸で突いたほどの祟はあるだろう、と腹じゃあ慄然いたしまして、爺はどうしたと聞きましたら、(いいえ、やっぱりむずむずしてどこかへ行ってしまいました、それッきり、さっぱり見かけないんですよ。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
そして貢さんのお見えなさらない時に、焼火箸を押着けて、ひどい目に逢わせてやるよ。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
市街は、焼火箸が降るような暑さだ。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
井田は「さうですな、先づ雪でも降つて来たら、此炉にドン/\焼火をするんですな、薪木ならお手のものだから。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
一同は寒気を防ぐために盛んに焼火をして猟師を待っているとしばらくしてなの字浦の方からたくましい猟犬が十頭ばかり現われてその後に引き続いて六人の猟師が異様な衣裳で登って来る、これこそほんとの山賊らしかった。
— 国木田独歩 『鹿狩り』 青空文庫
」 と調子はおっとり聞こえたが、これを耳にすると斉しく、立二は焼火箸を嚥んだように突立った。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫