車返し
くるまがえし
名詞
標準
文例 · 用例
道順も先度とは少し違って、上高井戸から烏山、金子、下布田、上布田、下石原、上石原、車返し、染屋と甲州街道を真っ直ぐにたどって、府中の宿に行き着いたのは、七ツ半(午後五時)を過ぎる頃であった。
— 二人女房 『半七捕物帳』 青空文庫
おきん 御時世が直って、大根を一車返してもらうより、今の一本の方が大事じゃけにな。
— 菊池寛 『義民甚兵衛』 青空文庫
青光一散、見事に流すが早いか、ただちにとって車返し武蔵太郎、血に渇して玄八の左肩を望んだ。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
」 ぱっと昇った灰神楽、富五郎が蹴った煙草盆を逃げて跳り上った釘抜藤吉、足の開きがそのまま適ってお玉が池免許直伝は車返しの構え。
— 槍祭夏の夜話 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
」――鍾巻流の小手返し、柳生流では「車返し」太刀をグルリと巻き返し、切っ先のぶかに切り込んだ。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
「ようよう、あなた、おのろけを聞かして頂戴よ……今までの罪ほろぼしに、よう」 両国の宿屋では、軒を隔てて、こんなもだもだの宵の口――車返しへ通ずる表街道は、こんなものではありませんでした。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
箱根路のほうは、小田原から湯本の湯坂を上り、城山、鷹巣山の峯伝いに二子山の西麓を通り、葦河宿(元箱根)を経て三島(伊豆国府)へぬけるが、この二つの路は車返しの近くで落合い、黄瀬川について沼津宿へ下りるようになっていた。
— 久生十蘭 『うすゆき抄』 青空文庫
道長の荷駄に追いつくつもりもなかったのだが、二道がいっしょになる車返しの丁字路で両方の隊が落ちあうことになった。
— 久生十蘭 『うすゆき抄』 青空文庫