舎侍
しゃさむらい
名詞
標準
文例 · 用例
貴族どうしは同情のないことを相手にさせようとは思っていらっしゃらないでしょうが、思いやりのないこの辺の田舎侍がかわるがわる宿直に来ていますから、自身の当番の時におちどのないようにと思いまして、どんな失礼なしぐさを宮様の御微行にしかけるかわかりません。
— 浮舟 『源氏物語』 青空文庫
田舎侍に何がわかるものかと時々こう思い直すこともありながら、彼はやはり自分の気が済まなかった。
— 旅絵師 『半七捕物帳』 青空文庫
山家育ちの田舎侍などの眼に、それがまことの女らしく見えたのは当然であるとしても、七郎左衛門までが欺かれるはずはない。
— 岡本綺堂 『青蛙堂鬼談』 青空文庫
この頃の都に威勢をふるっている者どもは、東国といわず西国といわず、すべてが「声は塔の鳩の鳴くようにて」と太平記の作者にあざけりしるされた田舎侍である。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
田舎侍の主人自慢はめずらしくない。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
勿論かれは奥州の田舎侍で、世間のことを何にも知らず、勝手の熱を吹いているのであるが、建久元年といえば曾我兄弟の復讎以前――曾我の復讎は建久四年――である。
— 岡本綺堂 『かたき討雑感』 青空文庫
東片町にある山村氏の屋敷には、いろいろな家中衆もいるが、木曾福島の田舎侍とは大違いで、いずれも交際|上手な人たちばかり。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
」「将軍家御前試合に、荒木又右衛門が加わったと申すが、何故、荒木の如き、田舎侍が、歴々の中へ加わったので御座ろうか?
— 直木三十五 『寛永武道鑑』 青空文庫