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鬱懐

うっかい
名詞
1
標準
文例 · 用例
さればこそ、御鬱懐、その御ふびんさ、おいとしさを忘れたの。
泉鏡花 夜叉ヶ池 青空文庫
仕るは狐の化、なれども日頃の鬱懐を開いて、思うままに舞台に立ちます、熊が穴を出ました意気込、雲雀ではなけれども虹を取って引く勢での……」 と口とは反対、悄れた顔して、娘の方に目を遣って、「貴女に道を尋ねました、あの日も、実は、そのお肝入り下さるお邸へ、打合せ申したい事があって罷出る処でござったよ。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
双方の是非曲直は原因すら不明であるから今評論が出来ぬが、何にせよ源護の方でも鬱懐|已む能はずして是に至つたのであらうし、将門の方でも刀を抜いて見れば修羅心|熾盛になつて、遣りつけるだけは遣りつけたのだらう。
幸田露伴 平将門 青空文庫
定基は家柄なり、性分なりで、もとより学問文章に親んで、其の鋭い資質のまにまに日に日に進歩して居たが、豪快な気象もあった人のこととて合間合間には田猟馳聘をも事として鬱懐を開いて喜びとしていた。
幸田露伴 連環記 青空文庫
公の病は此鬱懐の致す所である。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
彼は、胸のうちの寂しさとむしゃくしゃした鬱懐とをもらすところのないままに、腕組をして、じっと考える。
菊池寛 俊寛 青空文庫
忠直卿は、この頃から胸のうちに腐りついている鬱懐の一端が解け始めて、明かな光明を見たように思われた。
菊池寛 忠直卿行状記 青空文庫
秀でては不二の岳となり巍々千秋に聳え注いでは大瀛の水となり洋々八州をめぐる…… 案によって微吟し、そぞろに鬱懐をやるの体。
無明の巻 大菩薩峠 青空文庫