鍛練
たんれん
名詞
標準
文例 · 用例
強い紫外線と烈しい低温とに鍛練された高山植物にはどれを見ても小気味のよい緊張の姿がある。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫
もしかすると、この強い日照と濃い濃霧との交錯によって神経が鍛練されるせいもいくらかはあるのではないかという気がした。
— 寺田寅彦 『高原』 青空文庫
水が湯となり氷となるが、人生の事情の多端錯雑、変幻極まりなきに比べてはるかに簡単であり、したがつて物に接するは、事に処するよりも単純であるが、それでも本当に物に接するといふことに徹底するには、大分の知慮分別と、鍛練修業を必要とする。
— 幸田露伴 『些細なやうで重大な事』 青空文庫
然し、物に接する事がよく出来ぬ位では、世に立ち人事百般に処するは、なほ能く出来ぬ訳であるから、我々は先づ物に接する処から鍛練修業を積んで行かねばならぬ。
— 幸田露伴 『些細なやうで重大な事』 青空文庫
本来なら普段の鍛練を積まねばならぬはずなのだが、日々の食事もきわめて質素で、生活ぶりも厳格に過ぎるほど慎ましい。
— THE YELLOW FACE 『土色の顔』 青空文庫
立派に短歌道の上からも教養があり鍛練も経ている。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
つくづくと思ふことは一大事処に際する、かねての精神の鍛練如何といふことである。
— ――震災手記断片―― 『竹林生活』 青空文庫
チクリチクリと狙っては揉み通すその右肩は居合斬りに限らず、武芸鍛練の者にとっては大事な急所で厶ります。
— 佐々木味津三 『十万石の怪談』 青空文庫