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満たし

みたし
名詞
1
標準
文例 · 用例
後ではまた慚愧するのだとも思はないでもないのだが、これが私の人に親炙したい気持の満たし方であり又、かくすることによつて私は人に懐き、人を多少とも解するのである。
中原中也 亡弟 青空文庫
この私の弱い骨を、暖いトレモロで満たして下さい。
中原中也 寒い夜の自我像 青空文庫
とうとう余のハンケチにも何合かのどんぐりを満たして「もうよしてよ、帰りましょう」とどこまでもいい気な事をいう。
寺田寅彦 どんぐり 青空文庫
王国の賛沢な偕調が部屋を満たして、アングロサクソンの英諾威人、ケント族の仏伊人、スラブの露墺人、アイオニアンの血族|希臘人、オットマン帝国の土耳古人等に交って、東洋の黄色な悲劇的な顔が七分の運と三分の運命に対する己惚れをもって、千金を夢みているのです。
吉行エイスケ バルザックの寝巻姿 青空文庫
(お前に罪は無い) 自分は、音を立てないようにそっとコップに水を満たし、それから、ゆっくり箱の封を切って、全部、一気に口の中にほうり、コップの水を落ちついて飲みほし、電燈を消してそのまま寝ました。
太宰治 人間失格 青空文庫
秘やかな情熱が静かに私を満たして来る。
梶井基次郎 闇の絵巻 青空文庫
この身なりで物乞うては餓を満たして行く旅の翁を誰も親切には教えて呉れなかった。
岡本かの子 富士 青空文庫
材木堀を満たした朝の潮の香いが家々の中に滲み込んで来る。
岡本かの子 勝ずば 青空文庫