足萎え
あしなえ
名詞
標準
文例 · 用例
文作が足萎え和尚の寝ている方丈の雨戸をたたいた時には、もう夜が明けはなれていたが、和尚が躄りながら雨戸を開けて「何事か」と声をかけると、文作は「ウーン」と云うなり霜の降ったお庭へ引っくり返ってしまった。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
その結果、あくまでも人間の胎児の骨だと云い張った足萎え和尚は、拘留処分を受けることになったが、しかし村の者の大部分は学士さんの鑑定を信じなかった。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
文作の話をどこまでも本当にして、云い伝え聞き伝えしたので、足萎え和尚を信仰するものが、前よりもズッと殖えるようになった。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
足萎えたる者が歩道を不自由に歩きながら、やりどころなき飛躍を夢想するように、今この第三段階の転換面にあるロマン主義は、無方向の爆発を胸に蔵して、すべてのものを敵として、一人みずから孤高を唱えて狂ってくる。
— 中井正一 『近代美の研究』 青空文庫
我々の意識は完全に足萎え状態で、計画通り電灯を減光し、死都への正しいトンネルを選ぶだけの分別が残っていたのかも判らない始末だ。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『狂気の山脈にて』 青空文庫
ペテロは「ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい(19)」と言って足萎えの人を治しパウロや他の使徒は同じような治療を行った。
— Civilization And Disease (1943) 『文明と病気』 青空文庫
足萎えと十八娘では、凡そ鼬小僧には縁がありません。
— 鼬小僧の正体 『錢形平次捕物控』 青空文庫
足萎えの毛利玄達が、手裏劍の名人になつたやうに」 隱居の兼齋は、ほぐれるやうに話し始めたのです。
— 女辻斬 『錢形平次捕物控』 青空文庫