砥の粉
とのこ
名詞
標準
文例 · 用例
」 紅殻色に砥の粉色の縞をもつた柄とスタイルが彼女の姿を愛らしくした。
— 徳田秋聲 『芭蕉と歯朶』 青空文庫
――小さいその兒がただひとり、とんぼがへりや、皿まはし………… 人形つくり長崎の、長崎の人形つくりはおもしろや、色硝子………青い光線の射すなかで白い埴こねまはし、糊で溶かして、砥の粉を交ぜて、ついととろりと轆轤にかけて、伏せてかへせば頭が出來る。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫
――小さいその兒がただひとり、とんぼがへりや、皿まはし…………人形つくり長崎の、長崎の人形つくりはおもしろや、色硝子………青い光線の射すなかで白い埴こねまはし、糊で溶かして、砥の粉を交ぜて、ついととろりと轆轤にかけて、伏せてかへせば頭が出來る。
— 抒情小曲集 『思ひ出』 青空文庫
衣裳に覆はれる部分の、腕は、胴は、そして脚は、砥の粉も塗つてないたゞの棒切れであつた。
— 牧野信一 『夜の奇蹟』 青空文庫
(二月三日) 蕗 坂になった路の土が、砥の粉のやうに乾いてゐる。
— 芥川龍之介 『点心』 青空文庫
昨日の水溜りは、氷の上に雪がつもって、ふちの方は、薄黄いろく滲んでいるのが、氷河から滴たる為か、砥の粉を溶かしたように濁っておる。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫
その頃の学校にはボールドはあったが、はじめチョークというものが来なかったので「砥の粉」で字や画をかいたが、間もなくチョークが来た。
— 第一部 牧野富太郎自叙伝 『牧野富太郎自叙伝』 青空文庫
砥の粉を塗つて、隈を入れた顏、尺八を持つて一刀を手挾んだ面魂は、五尺五六寸もあらうと思ふ恰幅の、共に如何樣敵役に打つて付けの油屋兼吉です。
— 花見の仇討 『錢形平次捕物控』 青空文庫