毛くず
けくず
名詞
標準
flock
文例 · 用例
」電燈の明りにその茶色の毛くずを舞い立てながら祖母が編ものの毛出し内職を、「隅の壁ぎわでは病人が床の上に腹這って」雑記帖の表紙になるバラの花や小鳥の絵を緑色の紙にかいていた。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
白木屋の火事の時に、屋上が焼け落ちるかもしれないと言っておどかす途方もない与太郎があったそうであるが、鉄筋コンクリートの岩山は火には決して焼けくずれない。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
ところが、これが写真の場合だとカメラのシャッターの開いている間の各瞬間における影像はことごとく重合し、その重合したぼやけくずれただらしのないものがフィルムに固定される。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
まず第一は瓦が満足に焼けないで、とかくに焼けくずれが出来てしまうことですが、さらに奇怪なのは窯変です。
— 岡本綺堂 『青蛙堂鬼談』 青空文庫
それは柳の木を一尺五寸位に切って、上の方に切口をつけて神様の口にかたどり、炉の焼けくずを結えつけてフッチの心臓としてあります。
— 宮本百合子 『親しく見聞したアイヌの生活』 青空文庫
防火壁という場合、それはその壁自体が火をうけ、やけこげ、最後にやけくずれても、その奥に建てられた家を、火から守りとおすところに意味がある。
— 宮本百合子 『平和への荷役』 青空文庫
焼けくずれた自動車のエンジンが、地面をはっているような形をしている。
— 海野十三 『火星兵団』 青空文庫
ホースをもって、消防手がのりこんでくると、そのとけくずれた戦車をしきりにのぞきこんでいる髭だらけの老人紳士があった。
— 海野十三 『人造人間エフ氏』 青空文庫