庵号
あんごう
名詞
標準
文例 · 用例
『鶉居』と書いたのは鶉は常居なし、といふいひ慣しから思ひついた庵号だつた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
夜、寝られないので庵号などを考へた、まだ土地も金も何もきまらないのに、もう庵号だけはきまつた、曰く、三八九庵(唐の超真和尚の三八九府に拠つたのである)。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
近寄って見ると、いずれも門瓦の下に、院号やら庵号やらが額にしてかけてあった。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
その墓には杉井院無夢日覚居士の法諡を刻し側面に「居士諱基祐、称次郎右衛門、杉井其号、姓大沼、襲世禄仕幕府、嘉永元年致仕、問禅於真浄和尚、削髪法名曰無夢、旁好俳歌、頗臻其妙、継芭蕉翁統、受其庵号、安政五年十一月十七日没、年七十五。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
」〔居士諱ハ基祐、称ハ次郎右衛門、杉井ハ其ノ号、姓ハ大沼、襲世シテ幕府ニ禄仕シ、嘉永元年致仕ス、禅ヲ真浄和尚ニ問ヒ、削髪ノ法名ハ無夢ト曰フ、旁ラ俳歌ヲ好ミ、頗ル其ノ妙ニ臻ル、芭蕉翁ノ統ヲ継ギ、其ノ庵号ヲ受ク、安政五年十一月十七日没ス、年七十五。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
○放庵号について 小杉さんを「未醒」と呼ぶ人はやがて少くなつて来た。
— 木村荘八 『小杉放庵』 青空文庫
どうして小杉さんが未醒号を廃して放庵号に移つたかといふたしかな筋のことはきゝ洩らしてゐるけれども、ある時、心おきない客同志の酒席で、小杉さんの古くからの知り合ひの人が小杉さんに訊いたことがあつた。
— 木村荘八 『小杉放庵』 青空文庫
そしてぼくの私感からいへば(必ずしもその後この名になじんだ習慣からいふのではなく)、前の未醒号よりは今の放庵号の方がいゝと思つてゐる。
— 木村荘八 『小杉放庵』 青空文庫