波間に
なみまに
副詞
標準
between the waves
文例 · 用例
「泳ぎつく処まで……どこまでも……どこまでも……誰も決してついて来るな」 と口に出しては云わなかったが、小初は高まる波間に首を上げて、背後の波間に二人の男のついて来るのを認めた。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
もはや、小初の背後の波間には追って来る一人の男の姿も見えない。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
一九二七年の寒冷なビクトリア港の静かな波間にオランダの汽船が碇泊すると、南方政府の逮捕命令をうけて上海を逃れた陳独秀が船着場に衰えた姿をあらわした。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
現時の俳壇については多くを知らないのであるが、ともかくも滔々として天下をおぼらすジャーナリズムの波間に遊泳することなしにはいわゆる俳壇は成立し難いように見える。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
風の如く、電光の如く來りし海蛇丸は、また、風の如く、電光の如く、黒暗々たる波間に隱れてしまつた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
それで、私は今、春枝夫人が波間に沈んだと聞いても、どうも不幸なる最後を遂げられたとは思はれない、或は意外の救助を得て、子ープルスなる良君の許へ皈つて、今頃は却て、君等の身の上を憂慮て居るかも知れませんよ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
轟然たる響と共に、弦月丸は沈沒して、妾は一時は逆卷く波間に數十|尺深く沈みましたが、再び海面に浮び上つた時、丁度貴方のお聲で、私の名をお呼びになるのが聽えました。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
此時艦頭に立てる武村兵曹は、右鬢に微傷を受けて、流るゝ血汐の兩眼に入るを、拳に拂つて、キツと見渡す海の面、電光の如く近づき來つた海底戰鬪艇は、本艦を去る事約一千米突――忽然波間に沈んだと思ふ間も疾しや遲しや、唯見る本艦前方の海上、忽ち起る大叫喚。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
作例 · 標準
浜辺を散歩していたら、波間にキラリと光る綺麗な貝殻を見つけた。
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遭難した船の破片が、あてもなく波間に漂っているのが見えた。
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霧深い海の上で、波間にぼんやりと灯台の明かりが差している。
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