急き立つ
せきたつ
動詞
標準
文例 · 用例
さア初めろと自分の急き立つるので、そろそろ読み上げる事になった。
— 国木田独歩 『遺言』 青空文庫
」 お銀はいよいよ入院と決まった時に、急き立つ笹村に言い出した。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
母が、返事をしない内に、青年の方が急き立つてしまつた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
急き立つ心を抑えようともせず、「ご諚ではござれどさようなこと融川お断わり申し上げます!
— 国枝史郎 『北斎と幽霊』 青空文庫
その怪語に、一そう急き立つ青年女形を、彼は皺ばんだ、細長い手を伸べて、抑えるようにして、「その父御の遺言の文句は、随分変妙なものであろう――他人が、ちょいと覗いただけでは、何をいうているやらわからないような、気違いじみたものらしいな。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
おのれヤレどうあろうと今回こそはと、急き立つ心、湧く血潮!
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
自分は長椅子から立上り爽な風に面を吹かせ、暖く静かな空気を肺臓一ぱいに吸込み、遠くの星の殊更美しい一ツを見詰めて、さて唇を開いて声を出さうとすると、哀れ心ばかり余りに急き立つて居た為めか、自分はどう云ふ歌を唄ふのであつたか、すつかり選択する事を忘れて居た。
— 永井荷風 『黄昏の地中海』 青空文庫
「馬小屋ッ、馬小屋ッ」 たれともなくこう急き立つ。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫