煌めかす
きらめかす
動詞
標準
文例 · 用例
五十川女史のそばにすわって、神経質らしく眉をきらめかす中老の官吏は、射るようないまいましげな眼光を時々葉子に浴びせかけていたが、いたたまれない様子でちょっと居ずまいをなおすと、ぎくしゃくした調子で口をきった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
人体よろしくない人山が、一せいに獰猛な歯をむき、サッと白刄をきらめかすと、わあッと異様な叫びをあげて、主水之介、菊路、京弥の三人めがけて襲いかかりました。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
彼は時々ぎろりとした眼を薄闇い灯にきらめかす。
— 長塚節 『しらくちの花』 青空文庫
ぼうぼうと激しい炎が唸りを立てて、猛火が、家内を一ぱいにきらめかすのが見えるのだった。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
」 と、誘って大刀をきらめかす。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
……槍の穂先をきらめかす儀仗の小隊。
— 久生十蘭 『墓地展望亭』 青空文庫
防波堤の突端にある燈台の灯が、ゆるやかに、廻転しながら、夜の幕のうえに、光の条をきらめかす。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
西には毛勝、劔、立山の連脈が、よく見れば赤錆、青錆を吹いて、霜げ荒けた鉄の肌を、半ば氷化した万年雪に包んでガキガキに尖り、一斉に澄明な光りと影をきらめかす。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫