ちゃま
ちゃま
接尾辞
標準
Mr.
文例 · 用例
私を見つけると、すぐにばたばたと玄関に駈け込んで、園子ちゃんが来たわよう、お母ちゃま、と呼んで下さった。
— 太宰治 『十二月八日』 青空文庫
今日はどういうものかしきりと子供の時のことを想いだして、さきほども別荘の坊ちゃまたちがお庭の中で声を揃えて唱歌を歌っておいでになるのを聞いた時なんだか泣きたくなりました。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
「おや、これがお嬢ちゃまで、おかやちゃんで、さようでまあ」と、お媼さんからかやの方へ向けた笑顔は、しゅっと引き釣った両唇とは反対に、切れ長の眼瞼が、二筋三筋の皺を走らせて流れる様に眼尻の方へ上品な愛嬌を溢して居た。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
「町人百姓の子に、お嬢様たあ勿体すぎる」 斯う苦り切って云うお爺さんの前では止めたけれども、蔭へ行くと婆やはかやを、かやちゃまだの、お嬢様だのとよく呼んで居た。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
「おや、おかやちゃん、あんた、甚三さんに、見惚れて居なはるな、甚三さん、おかやちゃんがな、このお嬢ちゃまがな、お前さんの笛の音が、大好きでな、毎晩々々、それはそれは、熱心に聞きとて居なはることよ、な」 婆やの、このおしゃべりが終った時、甚三はまた、誰にということも無く例の笑いを、にっと現わした。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
「かやちゃま、おかやちゃん、どうした、どうしなはったよ」 斯う云い乍ら、気忙しく婆やがかやを抱き起すと、かやのそむけたままの横顔は真赤に染まって、縁板には三四滴の涙の痕がついて居るのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
「坊っちゃまは……」 と、女中はなぜか赧くなって、「お出掛けどす」「ふーん。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
「坊ちゃま」 お雪は幹男の上衣の端を掴んだ。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫