首途
かどで
名詞
標準
文例 · 用例
泣かずに、僕の首途を笑って祝福しておくれ。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
これが鎭守府の病院に、夫を見舞ふ首途であつた。
— 泉鏡花 『雪の翼』 青空文庫
月の夜路に深山路かけて、知らない他国にうことはまた、来る年の首途にしよう。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
」「首途に、くそ忌々しい事があるんだ。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
明直にいえば、それが、うぐい亭のお藻代が、白い手の幻影になる首途であった。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
冥途の首途を導くようじゃありませんか、五月闇に、その白提灯を、ぼっと松林の中に、という。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
目を擦り、目を※り、目を拭いいる客僧に立別れて、やがて静々――狗の顔した腰元が、ばたばたと前へ立ち、炎燃ゆ、と緋のちらめく袖口で音なく開けた――雨戸に鏤む星の首途。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
謙三郎は琵琶に命じて、お通の名をば呼ばしめしが、来るべき人のあらざるに、いつもの事とはいいながら、あすは戦地に赴く身の、再び見、再び聞き得べき声にあらねば、意を決したる首途にも、渠はそぞろに涙ぐみぬ。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫