継足
つぎあし
名詞
標準
文例 · 用例
――自分で死ぬほど、要らぬ生命を持っているなら、おなじ苦労をした女の、寿命のさきへ、鼻毛をよって、継足をしてやるが可い。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
……妻のお里はすこやかに、夫の手助け賃仕事…… とやりはじめ、唄でお山へのぼる時分に、おでん屋へ、酒の継足しに出た、というが、二人とも炬燵の谷へ落込んで、朝まで寝た。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
たとえば、翳している雨の番傘をばさりと半分に切って、ややふくらみを継足したと思えばいい。
— 遺稿 『遺稿』 青空文庫
どこで胴体が継足してあるんだろうと思って荒っぽい縞のドテラを何度も何度も見上げ見下した位だ。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
「弁信さん――前の手紙をまだ、あなたのところに差上げる手段もつかないうちに、わたしはまた大急ぎで、継足しをしなければならない必要に迫られました。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ここで、我が破れて、意外の相手と、意外の問答をやり出してから、弁信が急に、アンテナを張って、自分の特有の機能の働きを逞しうせんとするまでもなく、先方が、何のわだかまりもなく、説明の継足しをしていくのです。
— 農奴の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
両国手は、時々振返って、一瓢をささげ上げて、さらばの継足し、その度毎に、お角さんも手を挙げてあいさつを返す。
— 京の夢おう坂の夢の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
なるたけ葵に似るように、継足をして長いソワレを着、乙にすました顔をしてまたぞろ〈那覇〉へとってかえす。
— 久生十蘭 『金狼』 青空文庫