青物市
あおものいち
名詞
標準
文例 · 用例
次第に空の色が薄れて、岸和田の青物市場についた時は、もう朝であった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
亀やんは毎朝北田辺から手ぶらで出てきて河堀口の米屋に預けてある空の荷車を受けとると、それを引っぱって近くの青物市場へ行き、仕入れた青物つまり野菜類をその車に載せて、石ヶ辻や生国魂方面へかけて行商します。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
新銀町は大工、屋根職、左官、畳職など職人が多く、掘割の荷揚場のほかにすぐ鼻の先に青物市場があり、同じ下町でも日本橋や浅草と一風違い、いかにも神田らしい土地であった。
— 織田作之助 『妖婦』 青空文庫
たとへば出荷組合を作らうといふのでその組織の事とか、村に青物市場を開設するとかいふやうなことだ。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
さらにまた、出荷組合や、青物市場や、さういふものがただそれだけでは一體なんだらう。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
――久男がどこまでも附いて行くもんだから、たうとう青物市の近所まで行つたんだよ。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
吾助爺はこの洪水のような雑踏の中を押し切って、毎朝|神田の青物市場へ野菜物を満載した荷車を曳いていくのだった。
— 佐左木俊郎 『或る嬰児殺しの動機』 青空文庫
青物市場の出場時刻が切れるので、爺はうっかりしていることができなかった。
— 佐左木俊郎 『或る嬰児殺しの動機』 青空文庫