銀光
ぎんこう
名詞
標準
文例 · 用例
星は月よりも光が弱く、メランコリツクな青白い銀光がない。
— 萩原朔太郎 『月の詩情』 青空文庫
向って蝙蝠岳の残雪が、銀光りに輝いて、その傍に三角測量標が、空を突いて立っている、間の岳(赤石山脈)は森に隠れて見えない、冷い風が、暗い穴からでも来るように、ひいやりと吹く、鳥はひんから、ひんからと、朗らかに囀ずる、登るに随って、蝙蝠岳はほぼ正西に、間の岳は北西に、いずれも残雪白く、光輝を帯ぶ。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
薙刀の鋭き刃のように、たとえば片鎌の月のように、銀光を帯び、水紅の羅して、あま翔る鳥の翼を見よ。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
一たん釣り上げかけて、ちらりと銀光の閃きを見た魚を、あわや水際で取逃がしたような妙に気が脱けた形で、而かもいよ/\未練は募るばかりといった気持も籠らせながら、池上はわたくしが母の家へ具体的な結婚談を待受けるために帰るまでの一週間を寮の中で、わたくしのまわりをおかしいくらいまご/\と過しています。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
そればかりでなく、いよ/\眺めに馴れて来ますと、火口原の雪の銀光は空に射向う途中から白朧の気を吐いて、屏風型に取巻く山々の峰をうす紫に染めなし、余光はなおも狭い盆の口から蒼空へ差し剰して、さすが冷厳な山頂の空も最初の一膜だけ、うっとりとその柔味を受付けておるのが感じられます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
墓場は銀光燦爛たり。
— 北原白秋 『畑の祭』 青空文庫
墓場は銀光燦爛たり、驚きは拡がる。
— 北原白秋 『畑の祭』 青空文庫
虔ましき一時、墓場は何かを感ず、墓場は銀光燦爛たり。
— 北原白秋 『畑の祭』 青空文庫