草枯れ
くさがれ
名詞
標準
autumn
文例 · 用例
山々の草枯れの色は実に美しいと東の山ばかり見ているうちはや神島まで来て、久礼はと見たけれども何処とも見当がつかぬ。
— 寺田寅彦 『高知がえり』 青空文庫
草枯れの籬に残る撫子を別れし秋の形見とぞ見るこの花は比較にならないものとあなた様のお目には見えるでございましょう。
— 葵 『源氏物語』 青空文庫
・ほんに秋日和の、つるんでゐる豚・焼跡に日が射してがらくた・そよぎつつ草枯れる水音 十一月八日 九日一人、月がよかつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
…… 大地あたゝかに草枯れてゐる・日を浴びつゝこれからの仕事考へる 追加一句 歩きつかれて枯草のうへでたより書くだん/\私も私らしくなつた、私も私の生活らしく生活するやうになつた、人間のしたしさよさを感じないではゐられない、私はなぜこんなによい友達を持つてゐるのだらうか。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
しかしこの盛な蝉の声も実は草枯れる秋の季節の訪れを立証する外の何物でもないといふので、一寸無常観を見せた歌である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
導者は即ち曰く、此湖春夏の候は、雪解の水四山より集り、この廣渺たる原野、悉く湖水となり、その奇觀譬ふ可き物も無ければ、今は恰も水少く草枯れたる節に屬したれば、湖水はかくの如く分裂して、その大觀を見る能はざるを惜むと。
— 田山花袋 『日光山の奧』 青空文庫
祁山悲秋の風更けて、陣雲暗し五丈原、零露の文は繁くして、草枯れて馬は肥ゆれども、蜀軍の旗光なく、鼓角の音も今しづか、丞相病篤かりき。
— 土井晩翠 『新詩發生時代の思ひ出』 青空文庫
星落秋風五丈原(一)祁山悲秋の風更けて陣雲暗し五丈原零露の文は繁くして草枯れ馬は肥ゆれども蜀軍の旗光無く鼓角の音も今しづか。
— 土井晩翠 『天地有情』 青空文庫