蹴倒
蹴倒
名詞
標準
文例 · 用例
皆が他人を蹴倒して自分の利を追ふことになれば、多分皆の人が傷ついて倒れるであらう。
— 葉山嘉樹 『工場の窓より』 青空文庫
(庖丁を取り上げ、あさを蹴倒し、外にのがれ出る。
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫
つづいて僕が、蹴倒しました。
— 太宰治 『女類』 青空文庫
」 塩どころじゃない、百日紅の樹を前にした、社務所と別な住居から、よちよち、臀を横に振って、肥った色白な大円髷が、夢中で駈けて来て、一子の水垢離を留めようとして、身を楯に逸るのを、仰向けに、ドンと蹴倒いて、「汚れものが、退りおれ。
— 泉鏡花 『茸の舞姫』 青空文庫
つけられた方は、呆れるより、いきなり撲るべき蹴倒し方だったが、傍に、ほんのりしている丸髷ゆえか、主人の錆びた鋲のような眼色に恐怖をなしたか、気の毒な学生は、端銭を衣兜に捻込んだ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
浪之助引戻して蹴倒しさんざんな目に会わす。
— 山中貞雄 『右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法』 青空文庫
そして蹴倒してでもやり度いくらいにそれを不甲斐ないものに思った。
— 岡本かの子 『ある日の蓮月尼』 青空文庫
二人ははっと顔を見あわせると、破れ障子を蹴倒して一人の男がころげ出した。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫