川床
かわどこ
名詞
標準
文例 · 用例
やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、今迄流れてもゐなかつた川床に、水はさらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……幻影私の頭の中には、いつの頃からか、薄命さうなピエロがひとり棲んでゐて、それは、紗の服なんかを着込んで、そして、月光を浴びてゐるのでした。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
川床に突出する森の下蔭は、湿りっ気が、最も多いかして、蘇苔が、奇麗に布かれている。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
実際|斯んなに川床が平らで水もきれいだし山の中の第一流の道路だ。
— 宮沢賢治 『台川』 青空文庫
実際こんなに川床が平らで水もきれいだし山の中の第一流の道路だ。
— 宮沢賢治 『台川』 青空文庫
川の岸辺にも川床にも、数限りもない流木が散らばり、引っかかっていた。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
しかしタリム川の急に曲がった所から東のほうへかけてまさしく干上がった川床らしいもののある事に注意した。
— 寺田寅彦 『ロプ・ノールその他』 青空文庫
地震の割れ目か、昔の川床か、もっとよく調べてみなければ確かな事はわからない。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
其日は暮方から風が歇んで、空一面を蔽つた薄い雲が、月の輪廓をかすませ、やうやう近寄つて來る夏の温さが、兩岸の土からも、川床の土からも、靄になつて立ち昇るかと思はれる夜であつた。
— 森鴎外 『高瀬舟』 青空文庫