転輪
てんりん
名詞
標準
文例 · 用例
指を折って始めて、五年の流光に、転輪の疾き趣を解し得たる婆さんは、人間としてはむしろ仙に近づける方だろう。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
『起世因本経』二に転輪聖王世に出づれば主蔵臣宝出でてこれに仕う、この者天眼を得地中を洞し見て有王無王主一切の伏蔵を識るとあるから、よほど古くより梵土で伏蔵を掘って国庫を満たす事が行われたので、『大乗大悲分陀利経』には〈諸大竜王伏蔵を開示す、伏蔵現ずる故、世に珍宝|饒し〉という。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
転輪聖王世に出でて四天下を統一する時、七つの宝|自ずから現われその所有となる。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
『大薩遮尼乾子受記経』巻三にも、転輪聖王の馬宝は、〈色白く彼、一日三遍閻浮提を行ず、疲労想なし〉とあり、古インド人白馬を尊べるを知るべし。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
人間世界を因果転輪の車の上に立つものとせば、富山は馬琴の想像中にありて因果の車の軸なり。
— 北村透谷 『処女の純潔を論ず』 青空文庫
転輪、再生を描いた条文などは殊に意味が深い。
— 田山録弥 『谷合の碧い空』 青空文庫
みづから流転輪廻をはかるに、微塵劫を超過すれども、仏願力に帰しがたく、大信海にいりがたし。
— 三木清 『親鸞』 青空文庫
叩鉦の音が揃って、声自慢の男女が集ると、有転輪廻の車より、三毒五慾の糸をだし生死のかせわのひまいらぬさあてもとうとき、おんあぼきゃ、べいろしゃの、なかもふだらに、はんどく、じんばら、はらはりたや、うん――じんばら、はらはりたや、うんが面白くて、いい気になって高音にうたった。
— 長谷川時雨 『西川小りん』 青空文庫