遠い昔
とおいむかし
表現名詞名詞-の形容詞
標準
remote past
文例 · 用例
蕪村はいつも、寒夜の寝床の中に亡き母のことを考え、遠い昔のなつかしい幼時をしのんで、ひとり悲しく夢に啜り泣いていたような詩人であった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
この句に主題されている詩境もまた、前の藪入の句と同じく、遠い昔の幼い日への、侘しく懐かしい追憶であり、母のふところを恋うる郷愁の子守唄である。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
その音楽の布いて行く地盤の上に、遠い昔の北国の曠い野の戦いが進行して行った。
— 寺田寅彦 『春寒』 青空文庫
異国の遠い昔に対するあくがれの心持ちや、英雄の運命の末をはかなむような心持ちや、そう言ったようなものが、なんとなく春の怨を訴えるような「無語歌」と一つにとけ合って流れ漂って行くのであった。
— 寺田寅彦 『春寒』 青空文庫
それにもかかわらずそれを見る人の心は遠い昔に起こったある何かしらかなり深刻な事件のかすかな反響のようなものを感ずる。
— 寺田寅彦 『田園雑感』 青空文庫
一たいが、小づくりで、薄皮膚の色の白いやはらかに素直な毛をそつとわけて声もほそぼそと、歴史といふ遠い昔の夢をロマンチツクにおどおどと語る――ただ、すこしほんのすこしではあるけれども、見栄坊に気どつて年頃の女生徒への多少の対感意識はあつたやうでした。
— 岡本かの子 『ある男の死』 青空文庫
いつか遠い昔のことだ。
— 萩原朔太郎 『ラムネ・他四編』 青空文庫
不憫で、そして、いま「男だ」と云ったばかりの薫の声が遠い昔から自分に授っていた決定的な男性の声のような頼母しさを感じて嬉し泣きに泣けて来た。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
作例 · 標準
遠い昔、この地には大きな湖があったそうだ。
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遠い昔から伝わる民話には、興味深い話が多い。
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まるで遠い昔の夢を見ているような気分だった。
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