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海村

かいそん
名詞
1
標準
文例 · 用例
老妓だけを東京へ返し、わたし達はめい/\相手としての芸妓を一人ずつ連れ、その夜から八幡、船橋、行徳というような都人の思い及ばぬ平素で牡蠣殻の臭いのする海村を二三日遊び廻った。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
海村漫遊の逃れた気分はそれをするさえ億劫だった。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
このみすぼらしい海村の日本海に面した崖のとつぱなに出てこの若者は何をしようとするのだらう、若者は崖から海にむかつて叫ぶのだ――農民諸君  われわれ百姓は――と。
詩集(3)小熊秀雄詩集1 小熊秀雄全集-4 青空文庫
が、万之助及び重臣たちが、桑名に帰されずに、四日市の法泉寺に抑留されたように、十三人の敗兵は、鳥取藩士の警護に付されて、四日市の北一里にある海村、羽津の光明寺に幽閉されてしまった。
菊池寛 乱世 青空文庫
「A――にゐた時分……」と、彼女は、以前彼の故郷でない辺鄙な海村に彼と陋居した頃の夏の海の話に移らうとしたが、そこではまた彼のことを挟まなければならないことに気づいて、一寸どぎまぎしながら、一言、「あそこの海は、おだやかで好かつたわよ。
牧野信一 秋晴れの日 青空文庫
そんな間に、あれらの海村の漁家の二階で、あの寒村の水車小屋の炉端で熱ばかりを気にしながら読んだ本を回想すると、宇野浩二氏の「枯木のある風景」「子の来歴」瀧井孝作氏の「慾呆け」織田正信氏訳「D・Hローレンスの手紙」永井龍男氏の「絵本」などがかぞへられる。
牧野信一 読んだ本 青空文庫
麓の海村には、その村全体の生活を支えている大きな漁場がひかえていた。
横光利一 花園の思想 青空文庫
海村の住民の中、別居して神に仕へる形式が行はれ、男や女のさうした聖役に当るものが出来ました。
折口信夫 翁の発生 青空文庫