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余煙

よえん
名詞
1
標準
lingering smoke
文例 · 用例
家ぢゆうに煙が立ちこめて、ただ、まんなかのペトゥルーシャの立つてゐた辺に一|堆の灰燼が残つてゐるばかりで、それからは、なほもところどころ余煙がたちのぼつてゐた。
VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI ディカーニカ近郷夜話 前篇 青空文庫
遙に谷を隔てた火葬場の煙突からは終夜死人を焼いた余煙であろう、微に黄ぽい重そうな煙を上げていた。
甲賀三郎 支倉事件 青空文庫
弗々々、屁の如く放り散らすガソリンの余煙
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
お文倉にも火の粉や余燼が落下いたしましたが、それは難なく消しとめ、やがて薄らぎそめた余煙の中で、松王さまもわたくしどもも御文庫の無事を喜び合ったことでございます。
神西清 雪の宿り 青空文庫
お文倉にも火の粉や余燼が落下いたしましたが、それは難なく消しとめ、やがて薄らぎそめた余煙の中で、松王さまもわたくしどもも御文庫の無事を喜び合つたことでございます。
神西清 雪の宿り 青空文庫
焼け落ちた建物のかがりが、ぼっと赤く、余煙を染めているだけで、やかましかった物音や人声も、もうこっちまでは聞えて来なかった。
山本周五郎 五瓣の椿 青空文庫
倒れたのは、馬ばかりか、人ばかりか、二|尺角の白木の十|字架まで、上から真ッ二つにさけ、余煙のなかへゆら、――と横になりかかってきた。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
そして、亡国の余煙をとむらわんとするのか、おがむように笙を持って、しずかに、その歌口へくちびるをあてた。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫