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渭之

渭之
名詞
1
標準
文例 · 用例
……」「ウム、阿波はよいぞ阿波の国は――八重の潮に繞らされて渭之津の城の白壁がある。
上方の巻 鳴門秘帖 青空文庫
たとえ、尊王の赤心、反徳川の意気、胸に炎々たるものがあっても、下手なことをしたひには、藩祖正勝以来の渭之津の城の白壁に、矢玉煙硝玉の穴があくはめとなる。
上方の巻 鳴門秘帖 青空文庫
」「石田十太郎殿の組手が乗ります」「そちが代れ、都合がある」「はッ」「そして脇船の荷底へ、この一八郎とお鈴の二人、積み込んでまいるのじゃ」「心得てござります」「撫養の浦へ着船の節は、渭之津城へ寄るには及ばず、すぐ吉野川をさかのぼって、剣山の間者|牢へ二人の奴を送りこむよう。
上方の巻 鳴門秘帖 青空文庫
ために、富田の浦は血に赤く、河原は鬼哭啾々として、無残というも愚かなこと、長く、渭之津の城に怪異妖聞やむことを知らず、という結果になりました」「オオ殺戮の祟り!
上方の巻 鳴門秘帖 青空文庫
――四顧すれば海や空や本土のあなたにも、皇学新興の力、反徳川思想がみちみちて、ひとたび、この渭之津の城からのろしをあげれば、声に応じて西国の諸大名、京の堂上、それに加担するものなどが、ときの声をあげるだろう。
船路の巻 鳴門秘帖 青空文庫
渭之津城を脚下にふみ、広大なる大海の襟度に直面しながら、思いのほか、重喜の心が舞躍してこないのも、かれの眉が、ともすると、針で突かれたようになるのも、そのすり減らされてきた神経のせいだろう。
船路の巻 鳴門秘帖 青空文庫