槻
つき
名詞
標準
文例 · 用例
仮名が二つに分れると同時にこれを用いる語も二つに分れて、「伎」「企」「枳」などを用いて「紀」「奇」などを用いない語「雪」「君」「昨日」「明」などと、「紀」「奇」などを用いて「伎」「企」「枳」などを用いない語「月」「霧」「槻」などとの二つに分れるのであります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
梅も松もあしらったが、大方は樫槻の大木である。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
どッこいな、と腰を極めたが、ずッしりと手答えして、槻の大木根こそぎにしたほどな大い艪の奴、のッしりと掻いただがね。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
「二枚、」 とあとを数え果さず、三枚目のは、貝ほどの槻の葉で、ひらひらと燈を掠めて来た、影が大い。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
かつて大槻内蔵之助の演劇ありし時、渠浅尾を勤めつ。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
浜口雄幸がどうしたとか、若槻が何だとか、田中は陸軍大将で、おおかた元帥になろうとしていたところをやめて政治家になったとか、自分たちにとっては、実に、富士山よりも高く雲の上の上にそびえていて、浜口がどうしようが、こうしようが、三文の損得にもならないことを、熱心に喋って得々としている。
— 黒島傳治 『選挙漫談』 青空文庫
「今日はひょっとしたら大槻の下宿へ寄るかもしれない。
— 梶井基次郎 『雪後』 青空文庫
「何だろう」「それは××が南洋から持って帰って、庭へ植えている○○の木の根だ」 そう言ったのはいつの間にやって来たのか友人の大槻の声だった。
— 梶井基次郎 『雪後』 青空文庫