心の底
こころのそこ
表現名詞
標準
bottom of one's heart
文例 · 用例
だが彼が帰化を決心し、日本の土となることを覚悟した時、言い知れぬ寂しさとやるせなさが、心の底にうずつき迫るのを感じたであろう。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
けれども同時に何かしら腑に落ちない妙な疑問が、別に新しく心の底にきざしてきた。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
「侘び」とは蕪村の詩境において、寂しく霜枯れた心の底に、楽しく暖かい炉辺の家郷――母の懐袍――を恋いするこの詩情であった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
今電車の窓から日曜の街の人通りをのどかに見下ろしている刻下の心持はただ自分が一通りの義務を果してしまった、この間中からの仕事が一段落をつげたと云うだけの単純な満足が心の底に動いているので、過去の憂苦も行末の心配も吉野紙を距てた絵ぐらいに思われて、ただ何となく寛ろいだ心持になっている。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
汝、心の底より立腹せば怒れよ!
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
自分では、ただ頼みにする人、有難い人と思っている積りだが、心の底ではもう恋が成熟しきっている。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
「そのもしやもだね」 本当に性が合って、心の底から惚れ合うというのなら、それは自分も大賛成なのである。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
僕等二人はもとより心の底では嬉しいに相違ないけれど、この場合二人で山畑へゆくとなっては、人に顔を見られる様な気がして大いに極りが悪い。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
作例 · 標準
彼の力強い握手から、こちらを歓迎する気持ちが心の底から伝わってきた。
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自分の将来について、心の底では本当はどうしたいのか、もう一度じっくり考えたい。
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彼女の透明感のある歌声を聴いて、心の底から洗われるような清々しい気分になった。
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