一膳飯屋
いちぜんめしや
名詞
標準
simple and inexpensive restaurant
文例 · 用例
鳥居前のお前さん、乱暴じゃあがあせんか、華族様だってえのにどうです、もっともまああの方にゃあ不思議じゃねえようなものの、空樽の腰掛だね、こちとらだって夏向は恐れまさ、あのそら一膳飯屋から、横っちょに駆出したのが若様なんです。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
とろゝ屋と云へばよく聞えるが實際は一膳飯屋が好みに應じて作るとろゝ汁なのである。
— 春の二三日 『樹木とその葉』 青空文庫
A 何だい、うまい物うまい物って言うから何を食うのかと思ったら、一膳飯屋へ行くのか。
— 石川啄木 『一利己主義者と友人との対話』 青空文庫
一膳飯屋と下駄屋とが並んでゐて、其の前には空の荷車や汚い人力車が曳き棄てゝあつた。
— 上司小劍 『東光院』 青空文庫
金博士の住居は、南京路でも一等値段がやすく、そして一等|繁昌している馬環という下等な一膳飯屋の地下にあるのだ。
— ――金博士シリーズ・1―― 『のろのろ砲弾の驚異』 青空文庫
その半鐘のすぐ下にあった小さな一膳飯屋もおのずと眼先に浮かんで来る。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
さて空腹にはなったが、最後の一膳飯屋はもう通り越している。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
赤毛布はさっき一膳飯屋の前で談判をした時から、余り多弁ではなかったが、どう云うものかここに至ってますます無口となっちまった。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
作例 · 標準
街道筋の一膳飯屋で、腹を空かせた旅人が熱い味噌汁を啜っている。
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都会の片隅にひっそりと残る一膳飯屋は、近所の労働者たちの胃袋を長年支えてきた。
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「あそこは安くて旨い、昔ながらの一膳飯屋だよ」と父が教えてくれた。
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煤けた暖簾をくぐると、一膳飯屋の店内には出汁と醤油の香ばしい匂いが立ち込めていた。
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