擽
擽
名詞
標準
文例 · 用例
詩を思う心は一つの釈きがたい不思議であって、何物か意識されない、或る実在感への擽ばゆき誘惑である。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
そして単に、卑猥な擽り的エロチシズムがあるのみである。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
それを脣に受けると幽かな甘味が春の精のやうに舌を擽る。
— 有島武郎 『春』 青空文庫
板一枚隣りでは、まだ頭のてっぺんから搾るような笑い声がしたり、押し殺すような、擽るような笑い声が聞えて来た。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
ひところ世界中に流行したアメリカ映画、あれには、こんな所謂「純真」な雄や雌がたくさん出て来て、皮膚感触をもてあまして擽つたげにちよこまか、バネ仕掛けの如く動きまはつてゐた。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
ひところ世界中に流行したアメリカ映畫、あれには、こんな所謂「純眞」な雄や雌がたくさん出て來て、皮膚感觸をもてあまして擽つたげにちよこまか、バネ仕掛けの如く動きまはつてゐた。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
そしてその靴底から傳はつてくるモノトナスな響が、みんなの聽覺を擽るやうに刺戟した。
— 南部修太郎 『猫又先生』 青空文庫
片隅で誰かの幽かな鼾聲が擽るやうな音を立ててゐる。
— 南部修太郎 『猫又先生』 青空文庫