内縁の妻
ないえんのつま
表現名詞
標準
de facto wife
文例 · 用例
この世に生きてたって仕様のない人間だからね……」「……………」「構わないから、その薬を頒けておくれよ……僕の財産の全部は内縁の妻伊奈子に譲る……っていう遺言書を書いといたら文句はないだろう……」 彼女はみるみる唇の色まで白くした。
— 夢野久作 『鉄鎚』 青空文庫
のちに、自分は、自分の内縁の妻が犯されるのを、黙って見ていた事さえあったほどなのです。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
さては客来と言ひしも詐にて、或は内縁の妻と定れる身の、吾を咎めて邪魔立せんとか、但は彼人のこれ見よとてここに引出せしかと、今更に差はざりし父が言を思ひて、宮は仇の為に病めるを笞たるるやうにも覚ゆるなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
岩井繁雄の内縁の妻は彼が戦地へ行った頃から新しい愛人をつくっていたそうだが、やがて恩賜金を受取るとさっさと老母を見捨てて岩井のところを立去ったのである。
— 原民喜 『翳』 青空文庫
丹七は伊勢の国の生れであって、他人の内縁の妻と駈落ちして、二人でこの村の遠縁のものをたよって流浪して来たのであるが、その遠縁のものはその時死んで居らず、やむなく、良雄の父にすがりつくと、義侠心に富んだ良雄の父は、近所のあき地に小さい家を建ててやって二人を住わせ綿打業を始めさせたのである。
— 小酒井不木 『血の盃』 青空文庫
或ひは世間で言ふ内縁の妻と言つた方が適当かも知れなかつたが、大久保の話すところによると、奈美子は彼の作品の愛読者の一人で、また彼の憧憬する若い女性の一人であつたところから、手紙の往復によつて、さうした恋愛が成立したらしいのであつた。
— 徳田秋聲 『彼女の周囲』 青空文庫
十二日、午後十時四十分頃、品川区北品川××番地、飯倉方もと飲食店主向井清吉(四八)は自分の部屋に内縁の妻、谷せい子(二十一)を呼びよせて、手拭で絞殺。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
殺されたおせいが、向井清吉の内縁の妻であつたと云ふ事だけにこだはつてゐるのではなく、清吉が身寄りのない男だからと云ふ、義務感だけで、富岡は、清吉の為に走りまはつてゐた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
作例 · 標準
内縁の妻として、彼女は彼の家族とも良好な関係を築いている。
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彼は内縁の妻と相談し、今後の生活について決めた。
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長年連れ添った内縁の妻を、彼は生涯愛し続けた。
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