皺首
しわくび
名詞
標準
文例 · 用例
私が問うと、老|按摩は皺首を突出して至って小声に……一週間前にしかもこの宿で大阪の商家の若者が、お定りの女買に費込んだ揚句の果に、ここに進退きわまって夜更けて劇薬自殺を遂げた……と薄気味悪るく血嘔を吐く手真似で話した。
— 児玉花外 『菜の花物語』 青空文庫
九郎兵衛は、皺首を振り向けて、すぐ起ち上った。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
……ホ、ホ、ホ」 と、皺首を振って、まず、刀を抜く前に、言葉から斬ってかかった。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
――又八っ、又八っ」 それでもなお、又八が足を止めないので、お杉隠居は、皺首を前に伸ばし、「泥棒、泥棒、泥棒っ――」 夢中でさけんだ。
— 火の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
清水の三年坂では、まんまと、討ち洩らしたが、きょうこそ、その素首は、この婆がもろうたぞ」 軍鶏のように細ッこい皺首が、背の高い武蔵へ向って伸び上がっていうのだった。
— 火の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
信尹はにやにや、「船ばしの翁、いつも元気でよいのう」「かんがん様のお連れが、お館とは露だに知らず……」 と、杯を返す手からもうこの古武士は、わざと酔いを誇張して酩酊した太郎冠者のように細い皺首を振りうごかした。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
) と、怒りにまかせて、この細ッこい皺首を捻じ切る気にはなれなかった。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫