度表
どひょう
名詞
標準
文例 · 用例
◯そしてヨブは三友の態度表情に依て彼らの心に潜むこの疑い――すなわち彼に対する批難――を直覚したのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
「温度表を見て下さい。
— 太宰治 『HUMAN LOST』 青空文庫
産婆は看護婦から仕上げた人だつたので、毎日洗滌のために通つて來ては、熱度表に鉛筆を入れてその高く低くなるのに面をくもらした。
— 水野仙子 『四十餘日』 青空文庫
四十度近くの熱が續くばかりでなく、時には平温をずつと下つて、熱度表の青い筋が度はづれて高低になつた。
— 水野仙子 『四十餘日』 青空文庫
私が扉をあける、すると大きな診察机に肘をついて、ある患者の温度表を見ながら、一人の醫員に何事かを獨逸語まじりに話してゐる院長が、ちらとこつちを振り返る。
— 水野仙子 『嘘をつく日』 青空文庫
窒扶斯の熱度表のやうな雷光がぴかりと光つたと思ふと、大隈侯のやうな顔をした雷さまがにこにこもので一人伝右衛門の家へ転げ落ちて来た。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
)ある夏の事、主人が夜のしらじら明けに表戸をあけにかかると、その折丁度表通りを通りかかつてゐたお爺さんが、ひよつくり小鳥のやうに中に飛び込んで来た。
— 初出未詳 『茶話』 青空文庫
枕邊に懸けてある温度表を見ても、赤鉛筆や青鉛筆の線と星とが大抵赤線の下に少しづゝの曲折を示してゐるに過ぎない。
— 石川啄木 『郁雨に與ふ』 青空文庫