法弟
ほうてい
名詞
標準
文例 · 用例
「姫を手にかけたる大罪人なれば、赦すまじき奴なれども、貴僧に免じて許しつかわす」「そはありがたきしあわせにぞんじます、然らば、この者は今日より、愚僧の法弟といたして、姫の後世を弔わせます」 僧は若侍の傍へ寄って来た。
— 田中貢太郎 『村の怪談』 青空文庫
「我が君のありがたきお情けによって、一命は愚僧が貰いうけた、今日から出家して、愚僧の法弟になるが好い」 と云った。
— 田中貢太郎 『村の怪談』 青空文庫
姻戚関係もおおっぴらで、もっとも縁の深いのが九条家で、月の輪関白兼実の娘|玉日姫と宗祖の結婚がはじまりで、しかも宗祖は関白の弟、天台座主慈円の法弟であったのだから関係は古い。
— 長谷川時雨 『九条武子』 青空文庫
其処に居て、安居院法師と称せられた聖覚は、天台五派の一流の重位に居ながら、法然上人の法弟となり、浄土宗の法統には、円光大師直門の重要な一人とせられて居る。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫
トルレス神父、フェルナンデス法弟、その他の者を従へ、パウロの案内によつてその故郷鹿児島へ上陸したのは一五四九年八月十五日、聖母まりや昇天祭の日であつた。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
後年鹿児島を訪れた法弟アルメーダに向つて、自分には禅僧としての地位名望があるので外聞をはばかつて控へてゐたが、死に先立つて洗礼を受けたいものだと言ひだした。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
立会の司祭法弟を従へて、司教自ら深夜ひそかに柩をひらいた。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
2 天才の本質を能力の強さと大さとに置かずに、人生の祕奧に貫徹する力の深さに置く時、天才と凡人との關係は獅子と羊との對照にあらずして、導師と法弟との關係となる。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第一』 青空文庫