残喘
ざんぜん
名詞
標準
the remainder of one's life
文例 · 用例
文壇の大家になると、古手の思想が凝固まって、其人の吾は之に圧倒せられ、纔に残喘を保っているようなのが幾らもある。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
俳句は享保に至りて芭蕉門の英俊多くは死し、支考、乙由らが残喘を保ちてますます俗に堕つるあるのみ。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
鼻は――あの顋の下まで下っていた鼻は、ほとんど嘘のように萎縮して、今は僅に上唇の上で意気地なく残喘を保っている。
— 芥川龍之介 『鼻』 青空文庫
が、その感じから暗澹たる色彩を奪ったのは、ほとんど美しいとでも形容したい、光滑々たる先生の禿げ頭で、これまた後頭部のあたりに、種々たる胡麻塩の髪の毛が、わずかに残喘を保っていたが、大部分は博物の教科書に画が出ている駝鳥の卵なるものと相違はない。
— 芥川龍之介 『毛利先生』 青空文庫
新しい潮流が何べんとなくやって来ては、あたりの店の外観をかえショウウインドーの飾りつけをかえ、そこらにわずかに残喘を保つようにして巴渦を巻いている昔の街のさまをかえた。
— 田山花袋 『日本橋附近』 青空文庫
骨ばかりこの世に取り残されたかと思う人の、疎らな髯を風塵に託して、残喘に一昔と二昔を、互違に呼吸する口から聞いたのは、少なくとも今が始めてである。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
それといふのも潮の音が、さても巨いな残喘のごと、情けにあつい子供のやうな、おまへの胸を痛めたがため。
— OEVRES D'ARTHUR RIMBAUD 『ランボオ詩集』 青空文庫
多病にして残喘を保つ方がよほど結構だ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
作例 · 標準
彼は病床にありながらも、残喘を保ちつつ家族の到着を待っていた。
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滅びゆく帝国の残喘が、最後の抵抗として激しい戦闘を引き起こした。
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崖っぷちに追い込まれた企業が、残喘を繋ぐために大規模なリストラを断行した。
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