知行所
ちぎょうしょ
名詞
標準
文例 · 用例
その一人は知行所の村から奉公に出て來るのが例で、ほかの一人は江戸の請宿から隨意に雇つてゐることが判つた。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
お道の話から考へると、幽靈はどうしても武家奉公の女らしく思はれるので、Kのをぢさんは遠い知行所を後廻しにして、先づ手近の堺屋から詮索に取りかゝらうと決心した。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
「それでは知行所の方から來た女かな。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
それゆえにこそ、家康海内を一統するに及んで兵馬の権を掌握するや、長沢松平断絶すべからずとなして、御三男|忠輝公を御養子に送ってこれを相続せしめ、長沢の郷二千三百石をその知行所に当てた上、これを上野介に任官せしめて、特に格式三万石の恩典を与えました。
— 三河に現れた退屈男 『旗本退屈男 第五話』 青空文庫
御老体、当所はそれなる軸に見える大和田家の知行所か」「左様でおじゃり申す。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
今のその目篇がちときびしすぎてな、江戸の女共を喰いあきたせいでおじゃるのか、それともまた田舎育ちの土女共が味変り致してよいためでおじゃるのか、どちらがどうやら存ぜぬことじゃが、所労保養のお暇を願ったとやらにて、ぶらりとこの月初めに知行所へお帰り召さったのじゃ。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
生かすも気まま、殺すも気まま、その方共百姓領民は、当知行所二千八百石に添え物として頂いた虫けらじゃ。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
こうして十郎次を隠居放逐しておいて、家名食禄を舎弟に譲り取らしておかば、この先当知行所の女共は元より、領民一統枕を高くして農事にもいそしめると言うものじゃ。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫