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海陸風

かいりくふう
名詞
1
標準
land and sea breeze
文例 · 用例
高知は毎時観測の材料がなくて調べなかったが、広島や大阪では、前記の地方的季節風が比較的弱くて、その代りに海陸風がかなり著しく発達している、そうして夕方から夜へかけては前者が後者と相殺する、そのために夕凪がかなりはっきり現れる、そうして海陸の位置分布の関係でこの凪の時間が異常に引延ばされるらしい。
寺田寅彦 夕凪と夕風 青空文庫
これに反して東京の夏には地方的季節風が相当強い南東風として発達しているためにそれが海陸風と合成され、もしこれがなければべた凪になるはずの夕方の時刻に涼しい南東がかった風を吹かせるらしい。
寺田寅彦 夕凪と夕風 青空文庫
低気圧による北西風が丁度この南東風を打消すようになる場合には海陸風だけが幅を利かせて、従って夕凪が顔を出す。
寺田寅彦 夕凪と夕風 青空文庫
海陸風の原因が以上のとおりであるから、この風は昼間日照が強く、夜間空が晴れて地面からの輻射が妨げられない時に最もよく発達する。
寺田寅彦 海陸風と夕なぎ 青空文庫
これに反して曇天では、輻射の関係で上記の原因が充分に発達しない、のみならずそれが低気圧などの近づいた場合だと、この影響として現われる風がこのような地方的の風に干渉していわゆる海陸風の純粋な発達を隠してしまう。
寺田寅彦 海陸風と夕なぎ 青空文庫
しかし、そのような場合でも詳細に調べてみると、やはり海陸風に相応する風の弛張が認められない事はないのである。
寺田寅彦 海陸風と夕なぎ 青空文庫
そのために海陸風が最も純粋に発達する。
寺田寅彦 海陸風と夕なぎ 青空文庫
八月ごろの東京の風の一日じゅうの変化を調べてみると、やはり海陸風に相当する規則正しい風の周期的変化があるが、ただ東京では日々変化の位相が著しくくずれているのと、夏期の南東の季節風がかなりよく発達しているために、夕なぎに相当する時刻にはこの季節風のほうが著しく現われて来るのである。
寺田寅彦 海陸風と夕なぎ 青空文庫