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簾越し

すだれごし
名詞
1
標準
文例 · 用例
そんな間から所どころ、電燈をつけた座敷が簾越しに見えていた。
梶井基次郎 ある心の風景 青空文庫
昔の鴛鴦の夢の跡の仏の御座になっている帳台が御簾越しにながめられるのも院を物悲しくおさせすることであった。
鈴虫 源氏物語 青空文庫
外はもう夏の気勢で、手拭を肩にぶら下げて近所の湯屋から帰って来る、顔の赤いいなせな頭などが突っかけ下駄で通って行くのが、窓の格子にかけた青簾越しに見えた。
徳田秋声 青空文庫
簾越しに川風が吹き込んで、人の込み合っている割に暑くはなかった。
森鴎外 百物語 青空文庫
昼のうちは陰っていたが、宵には薄月のひかりが洩れて、凉しい夜風が簾越しにそよそよと枕元へ流れ込んで来る。
岡本綺堂 薬前薬後 青空文庫
蕎麦屋の女房は門の行燈に灯を入れると、その薄暗い灯かげに照らされて、花びらのような大きい雪が重そうにぼたぼた落ちているのが暖簾越しに見えた。
春の雪解 半七捕物帳 青空文庫
簾越しに風外の沿衣がけの姿を見ると、黙つてはゐられなかつた。
初出未詳 茶話 青空文庫
樽野は退屈だつたので、そつちを見るのは恥かしがりやの大ちやんのために気の毒だとは思つたものゝ大ちやんと鶴がまざ/\と見えるわけでもなかつたので簾越しに庭を眺めてゐた。
牧野信一 鶴がゐた家 青空文庫