幽妙
ゆうみょう
形容動詞
標準
文例 · 用例
眼に見えぬ処、幽妙の処で、文三は――全くとは云わず――稍々変生ッた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
然るに幽本、幽妙の子、了蓮の父母は考へることが出來ない。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
然るに了蓮の祖母知性の母幽妙の下にも、別本に小林彌右衞門妻の註がある。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
「風流仏」、「一口剣」等に幽妙なる小天地想を嘔ひ、一種奇気抜く可らざる哲理を含みたる露伴の詩骨は徒らに「心機霊活の妖物」なる道也の影に痩せさらばひぬ。
— 北村透谷 『「伽羅枕」及び「新葉末集」』 青空文庫
かるが故に、その詩、幽妙を虧き、人をして宛然自から創作する如き享楽無からしむ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
かるが故に、其詩、幽妙を虧き、人をして宛然自から創作する如き享樂無からしむ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
是の平淡の資材を驅りて、此の幽妙の人心を曲くせるは、たしかに女史が「十三夜」以上の作と云ふべし。
— 高山樗牛 『一葉女史の「たけくらべ」を讀みて』 青空文庫
あなたは不思議な仙丹を魂の壺にくゆらせて、ああ、何といふ幽妙な愛の海ぞこに人を誘ふことか、ふたり一緒に歩いた十年の季節の展望は、ただあなたの中に女人の無限を見せるばかり。
— 高村光太郎 『智恵子抄』 青空文庫