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大善

だいぜん
名詞
1
標準
文例 · 用例
真暗な地獄の底から一目貴女を拝むのを、仏とも、天人とも、山の端の月の光とも思って、一生の思出に、莞爾したいと云うのですから、お聞届け下さると、実に貴女は人間以上の大善根をなさいます。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
大善を称するよりは小善を積め、という言葉がある。
太宰治 惜別 青空文庫
つまらない小善主義を叱って大善主義を高唱するのであります。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
そこで、この偉大な大善的働きの源をどうして発見し、自覚するかという問題になりますが、ここに維摩独特の「不二法門」(道を求むる、二つとない肝心な体得の方法という事)というのが提唱されます。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
第三には「端役の人物」で、大善でもない、大悪でもない、いわゆる平凡の人物でありますが、これらの三種の人物中、第一類の善良なる人物は、疑いも無く作者たる馬琴および当時の実社会の善良なる人物の胸中の人物であります。
幸田露伴 馬琴の小説とその当時の実社会 青空文庫
小善小仁は滔々たる天下之を為すに難きもの多からず、大善大仁はいかなる人にして始めて行ふを得むか。
北村透谷 各人心宮内の秘宮 青空文庫
大罪大悪の消ゆるは此奥にあり、大仁大善の発するは此奥にあり、秘事秘密の天に通ずるは此奥にあり、沈黙無言の大雄弁も此奥にあり、然り、永遠の生命の存するもこの奥にあり、かの説明し得べからずと言はれたる人生の一端の、説明せらるゝもこの奥にこそ。
北村透谷 各人心宮内の秘宮 青空文庫
しかのみならず、法律でさえ明かに罰するような大罪悪を実際に行った人でなければ真に罪の意識を得ることができず、従って大善人となることが絶対に不可能であるとするならば、人間は善であらんがために必然に悪をなさねばならないこととなり、しかしてその限り人間は決して完成に到達し得ないこととならなければならない。
三木清 語られざる哲学 青空文庫