隣同士
となりどうし
名詞
標準
next-door neighbors
文例 · 用例
こうして、鶴さんとオトラ婆さんの隣同士のややこしい別居生活が始まって間もなく、サイパン島の悲愴なニュースが伝えられた。
— 織田作之助 『電報』 青空文庫
…… 気合が更まると、畳もかっと広くなって、向合い、隣同士、ばらばらと開けて、間が隔るように思われるので、なおひしひしと額を寄せる。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
学校で私と席がお隣同士だというだけで、そんなに私は親しくしてあげているわけでもないのに、お寺さんのほうでは、私のことを、あたしの一ばんの親友です、なんて皆に言っている。
— 太宰治 『女生徒』 青空文庫
瀧を覆すやうで小留もなく家に居ながら皆蓑笠で凌いだ位、茅葺の繕をすることは扨置いて、表の戸もあけられず、内から内、隣同士、おう/\と声をかけ合つて纔に未だ人種の世に尽きぬのを知るばかり、八|日を八百|年と雨の中に籠ると九日目の真夜中から大風が吹出して其風の勢こゝが峠といふ処で忽ち泥海。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
どうして年をはっきり覚えているかと云うと、その頃僕は東京大学の鉄門の真向いにあった、上条と云う下宿屋に、この話の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでいたからである。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
皆ちょっとの間季和の方へ注意を向けたが、すぐ忘れてしまったように隣同士で話をはじめる者もあれば、自個の陶酔の世界に帰って往く者もあった。
— 田中貢太郎 『蕎麦餅』 青空文庫
天体と天体とのあいだを往きかいするのは、同じ町のなかで知っている同士が、いやもっと近く、ついお隣同士が往きかいするのと大してちがったことではありません。
— LYKKENS KALOSKER 『幸福のうわおいぐつ』 青空文庫
隣同士だからなんといっても顔見合わせる機会が多い。
— 伊藤左千夫 『隣の嫁』 青空文庫