思い比べる
おもいくらべる
動詞
標準
文例 · 用例
七里役(飛脚)の置いて行く行幸のうわさなぞを持ち寄って、和宮様御降嫁当時のこの街道での大混雑に思い比べるのは桝田屋の小左衛門だ。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
外国交渉の不結果、随員の不和、言語の困難――これを一行総員百七名からの従者留学生を挙げて国を離れたことに思い比べ、品川の沖には花火まで揚げて見送るもののあった出発当時の花やかさに思い比べると、おそらく旅の末はさびしく、しかも苦い経験であったろう。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
「真実に、子供があると無いじゃ、家の内が大違いだ」と言って、お種は正太の家のことを思い比べるような眼付をした。
— 島崎藤村 『家(下巻)』 青空文庫
「フレッシ・マン」と呼ばれ、「ソホモル」と呼ばれた頃のことに思い比べると、皆もう別の人達だ。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
以前に思い比べると、今彼の眼にある節子は殆ど別の人のように延びて来た。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
自分の眼に映る節子は到底|今日の節子から思い比べることの出来ないほど衰え果てた人であったと書いた。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
往来で行き逢う人々の中にも、彼は節子と同じような年頃の婦人を見かけて、それらの知らない人の通り過ぎる影に彼女を思い比べることがあった。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
ロマン・ローランなどと思い比べるとき、この悔いは私にはかなり深いものだ。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫