切れ間
きれま
名詞
標準
interval
文例 · 用例
西北の仙丈岳を前衛として、駒ヶ岳、鋸岳、木曾駒山脈の切れ間に谷が多いので、このように水蒸気も多く、そうしてこの山を目がけて、吹きつけるのであろう。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
沖に出たらば暗いでせう、櫂から滴垂る水の音は昵懇しいものに聞こえませう、――あなたの言葉の杜切れ間を。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
翌朝、棟の雲の切れ間を仰いで、勇ましく天守に昇ると、四階目を上切つた、五階の口で、フト暗い中に、金色の光を放つ、爛々たる眼を見た、 一|目見て、「やあ、祖父殿が、」と老爺が叫ぶ、……其なるは、黄金の鯱の頭に似た、一個青面の獅子の頭、活けるが如き木彫の名作。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
漠としたちぎれ雲が夜空をゆるやかにたゆたい、星がひとつふたつ、雲の切れ間からところどころで瞬いている。
— THE MAN WITH THE TWISTED LIP 『唇のねじれた男』 青空文庫
こういう放心しているらしい夢想あるいは言葉の切れ間の一つの間に、予は、褥榻の上の自分の近くにあった、かの詩人にして学者なるポリシアン19の美しい悲劇「オルフェーオ」(イタリアの最初の自国語の悲劇)の一ページをめくると、鉛筆でアンダーラインを引いた一節を発見した。
— THE ASSIGNATION 『しめしあわせ』 青空文庫
鈴木はその言葉の切れ間に思わず身体のしまる恐怖を感じた。
— 小林多喜二 『工場細胞』 青空文庫
それが一年中切れ間もなしに続けられるし、売れ工合によっては、自由に出来高の加減もその日その日のうちに出来る。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
雲の切れ間から、落ちて来る光線は、下界の湿り気のために、半ば反射力を失つた様に柔らかに見えた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫