独り住み
ひとりずみ
名詞
標準
文例 · 用例
今お話のようなお嬢さんのいられるということだけは聞いていましたが、罪人にされている私を不吉にお思いになるだろうと思いまして希望もかけなかったのですが、それではお許しくださるのですね、心細い独り住みの心が慰められることでしょう」 などと源氏の言ってくれるのを入道は非常に喜んでいた。
— 明石 『源氏物語』 青空文庫
賑やかなのは一時で、然しじきもとの独り住みの静けさに戻る。
— 宮本百合子 『蓮花図』 青空文庫
男としては、独り住みして、折々通うて逢う女こそが、にくからぬものと」「そうです」「――総じて“花は盛りに、月はくまなきのみを、見るものかは”これが自分の好むところ。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫
」 その隣家に三十ばかりの女房一人住みたり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
父の行方の心配、都に小娘一人住みの危うさ、とうとう姫も決心して国元へ帰ろうとほとんど路銀も持たずただ一人、この街道を踏み出して来たのでした。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
はい、」 といいかけて、行かむとしたる、山番の爺はわれらが庵を五六町隔てたる山寺の下に、小屋かけてただ一人住みたるなり。
— 泉鏡花 『清心庵』 青空文庫
其むかし一人住みしける折の事も思ひ出されて、拙くもをかしきことのみ多し。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
草深き里に一人住み、一人|自から高うせんに如かじ。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫