暖室
だんしつ
名詞
標準
文例 · 用例
父と兄の如きは、此自己にのみ幸福なる偶然を、人為的に且政略的に、暖室を造つて、拵え上げたんだらうと代助は鑑定してゐた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
父と兄の如きは、この自己にのみ幸福なる偶然を、人為的にかつ政略的に、暖室を造って、拵え上げたんだろうと代助は鑑定していた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
そのそばには、高さ三尺ばかりの葡萄に、暖室で大きい実をならせた盆栽がすえてある。
— 森鴎外 『普請中』 青空文庫
どっちも、園長は入って来られて二三分、注意を与えて行かれたそうですが、其の儘出てゆかれたそうです」「その爬虫館と小禽暖室との距離は?
— 海野十三 『爬虫館事件』 青空文庫
園長を最後に見掛けたというところが、此の爬虫館と小禽暖室の辺であってみれば、入念に検べてみなければならないと思った。
— 海野十三 『爬虫館事件』 青空文庫
「さあ、ここが爬虫館です」 副園長の声に、はッと目をあげると、そこにはいかにも暖室らしい感じのする肉色の丈夫な建物が、魅惑的な秘密を包んで二人の前に突立っていた。
— 海野十三 『爬虫館事件』 青空文庫
この爬虫たちを、元居た暖室の方へ移すのですが、それにはあの室を充分なところまで温め、湿度を整えてやらねばならんのです」「弱ったな」帆村は苦い顔をした。
— 海野十三 『爬虫館事件』 青空文庫
九時半を過ぎると多勢の畜養員や園丁が檻を担いで入って来て無造作にニシキヘビを一頭入れては別の暖室の方へ搬んで行った。
— 海野十三 『爬虫館事件』 青空文庫